新築マンション

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"新築マンションが本当は売れているのか売れていないのか、よくわからないような現状 にもかかわらず、現在、どこのデベロッパーも強気にマンションを供給しています。その 理由としては、ふたつ考えられます。 ひとつは、ファンドの存在。これは、「不動産の証券化」といえばいいでしょうか。日本 の不動産は二○○○年に入ってからある意味、金融商品化してきました。それまで日本の 不動産はとても不透明な存在だったのですが、REIT(上場している証券化商品)が登場してから、不動産も金融商品化してきたのです。 不透明感がぬぐえなかった日本の不動産が金融商品化してくると、機関投資家をはじめ とする世界のマネーも入ってきやすくなります。もちろん、日本の投資家の巨額のマネー もどんどん入ってきます。

REIT

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REITは二○○二年にスタートしたもので、これは基本的にオフィスビルなどを対象 としており(最近は賃貸住宅専門のREIT等も登場していますが)、マンションの場合、 基本的には上場していないプライベートファンドが影響を与えています。 たとえば、マンションを売り出して二割〜三割しか売れなかったとすると、デベロッパ ーは手付けをすべて倍返しするなどして、契約を白紙にしてしまうこともあります。そし て、その一棟をまるごとプライベートファンドにおろしてしまうのです。値段はそれなり に安くなってしまいますが、早めに手堅くファンドに流して次の現場に行こうという作戦 です。 ファンドはそれを証券化して、その証券を投資家に買ってもらいます。その分譲マンシ ョンはこれで、結果的に賃貸物件になるという仕組み。東京のある二○○○戸規模のマンションは、六○○戸くらい売れ残った時点でそのうち の一五○戸をプライベートファンドに売却、その残りをまた一般の人に販売しました。万 が一、想定より売行きが悪くても、そういう活用の方法も出てきたのです。 いざとなればプライベートファンドに売ればいいと思うデベロッパーがいて、一方、フ ァンド側は物件が欲しくて仕方がない状態。物件が足りなくて、「つくってくれればなんで も買うから」といった雰囲気まであると聞きます。賃貸にすればそれなりの利回りが見込 める目算があるから、ファンドはマンションを積極的に買うわけです。 プライベートファンドは、今後もまだ数倍に伸びる市場だといわれています。デベロッ パーが、「一般の人に売れないマンションでも、いざとなればファンドに売ればいい」と考 えて新築物件が増える風潮は、まだしばらく続くでしょう。